今、求められる価値観

外出自粛により、お茶の稽古が休みになっている。
溜まっていた仕事の合間に、息抜きにパラパラと本をめくっていると、久しぶりに目にした言葉があった。
お茶(茶道)の心を表す言葉として、千利休が唱えたと言われる「和敬清寂」。
因みに、お茶にはいくつもの流派がある(私は表千家)が、茶の心はいずれも同じ。

「和敬清寂」という4文字には、一つひとつにそれぞれの意味がある。
「和」は、和合。誰とでも仲よく、すべてにおいて調和を大事にする。
「敬」は、お互いに人格を尊重し合うこと。
「清」は、清らかな心であること。
「寂」は、それによって
穏やかでどんなときにも動じない心にいたる。
といった意味。

そう言えば…と、裏千家前家元の千玄室氏が「和敬清寂」についてわかりやすく書いていたのを思い出した。(以下、枠内)

「和敬清寂」とは、お互いに和を貴び、敬い合い、心身を清らかにし、どのような時にも動じない心をいう。それは、いまを生きる私たちに共通して求められる価値観といえる。 (致知出版社『致知』5月号「巻頭の言葉」より抜粋)

まさに、今の世の中に求められている精神ではないかと思う。