日中はかなり暖かく、青空に雲が気持ちよさそうに浮かんでいた。
<ああ、あの雲の上でお昼寝でもしていたいな>と思っていたのだが、夕方近くから風が強くなってきた。
これでは、せっかくの桜の花も散ってしまうが、桜の花を敷き詰めた絨毯も、結構見事なものだ。
青空と言えば、昨日、夕方から『あの空をおぼえてる』の試写会に行ってきた。
最愛の娘(絵里奈)を突然失った家族の絆を描いた作品。
 
娘を失った両親は、その事実を受け入れることができず、悲しみからなかなか立ち直ることができない。
一方、絵里奈の兄(英治)は、悲しみを一人で耐えて両親を励まそうする。
 
「子どもが思うほど親は強くなく、親が思うほど、子どもは弱くない」という言葉が、この映画のチラシに書かれていたが、その言葉と、英治と私の息子が重なった。
 
息子がちょうどこの英治と同年代の頃、突然父親を失った。
父親っ子だった息子は悲しかったに違いないが、「お父さんは、僕たちが楽しく明るく暮らしていく方が喜んでくれるよね」と。
その言葉を聞いた時、思わずハッとした。
親だからと言って、決して強くはない。
かえって子どもの方が強いこともある。
子どもに励まされながら生きていることもある。
 
家族の、親子の絆というものを、つくづく考える機会でもあったが、果たしてこの時、ほんとうに子どもの方が強かったのだろうか。
我慢に我慢を重ねていたのではなかったのだろうか。
後にふと思った。

前の記事

2008/4月のメッセージ

次の記事

春の嵐