傲るなかれ

読売新聞の編集手帳に、権力を持ち慣れないものが、手にした権力を振りかざす様を『深海魚』にたとえて書いてあった。
海底の大きな圧力に耐えられるようにできている深海魚が、いきなり海面に浮上すると、外側の圧力が急に減るため、内蔵が口から出てきたり眼球が飛び出したり、悲惨な様相を呈するといい、まさにこの深海魚に似ているというのだ。
例え権力を手に入れたとしても、傲(おご)らず謙虚になりなさいと言っている。
権力に限らず、仕事での成功、財産、その他今まで持ち得なかったものを手にすると、時として勘違いをし、傲りの真っ只中に沈没してしまうことが多い。
自分を誇示し、自分の価値観を他者に押しつけようとする。
『能ある鷹は爪を隠す』古い言葉だが、仕事でも、芸術でも、何の世界においても、本当に極めた人、達観した人は、常に謙虚な姿勢でいるなと感じている。

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