一世紀超を生き抜いた伯母

今年も半年が終わった。
1日が、1週間が、1ヶ月が、飛ぶ鳥の如く過ぎていく。
1日の過ごし方がいかに大切かを、痛切に感ずる。
102歳の伯母が天寿を全うしたという知らせが、従姉妹から届いた。
明治に生まれ、厳しい時代を乗り越えながらも、気骨ある生き方を通し、いつも家族の幸せのために精一杯生きた伯母。
日本舞踊を生涯の楽しみとし、90歳を過ぎても自分で衣装を縫い、舞台に立っていた。
一世紀を越える歳月を生き抜き、多くの孫やひ孫たちに囲まれ、その成長を何よりの喜びとして穏やかな晩年の日々を過ごし、「私は本当に幸せ」と語っていたという。
そんな伯母が4ヶ月ほどの入院の末、静かに旅立ったとのこと。
入院したことは聞いていたが、遠いこともあり見舞いに行かなかった。
生前からの本人の希望により、家族だけで見送ったとの知らせに、残された家族が心穏やかに過ごされますようにと、ただ祈るしかない。
小柄だが背筋がぴんと伸び、いつもやさしい笑顔が絶えなかった伯母の姿が偲ばれる。

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