今年も枯露柿作り

今年も甲州百目柿が手に入ったので、数個だが軒先に吊した。

百目柿

百目は、百匁(もんめ)からつけられているそうだが、1個400〜500g程の重さがある。
皮を剥いて軒先に吊し、天日で乾燥させる。(雨が多いとカビてしまう)
ある程度乾燥が進んだら1個ずつ手で果実を揉み、柔らかさと形を整えていく。
こうして出来上がった干し柿を「枯露柿」と言う。
柿の乾燥状態を見ながら、一つひとつ手をかけていく作業が楽しい。

枯露柿までいかない、まだ果実がドロ〜っとした状態をあんぽ柿と言う。
これが美味しい、好きだという人もいるが、私は枯露柿になる点前のいくらか柔らかさが残っている状態の柿が一番好き。

以前も書いたかも知れないが、子供のころ、軒先にズラ〜っと吊した柿を次兄と手揉みしているとき、兄が必ず一つ二つ失敬してポケットに入れていた。
そして、私のポケットにも…。
口止め料だ。
一目見れば無くなっていることはすぐわかるのだが、親は咎めることはせず「美味しかったか?」で終わっていた。
余所の家のものではなく我が家のものなので、手伝いの駄賃代わりとして暗黙の了解となっていたのだろう。

そんな思い出があるからか、例え数個の枯露柿作りでも楽しいのだ。