文学少女気取りで感傷に耽った時代

昨年の梅雨期はあまり雨も降らず、梅雨明けも早かった。
だが、今年は “梅雨空” という言葉に相応しい天候が続いている。
こんな時季に、決まって思い出す詩がある。
たぶん、高校生の頃に読んだ詩集に載っていたものだと思う。

都に雨の降るごとく
わが心にも涙ふる。
心の底ににじみいる
この侘しさは何やらむ。

大地に屋根に降りしきる
雨のひびきのしめやかさ。
うらさびわたる心には
おお 雨の音 雨の音。
~~
ポール・ヴェルレーヌ~~

何人かの日本語訳があるが、あの当時はこの訳詩が一番心に染み入ったのだろう。
文学少女を気取って、感傷に耽っていたんだよな。

こんなことを思い出したのは、仙台まで出向き、雨降る中での一周忌法要と墓参をしてきたためかも知れない。