新聞配達の思い出

今朝のNHKニュース おはよう日本で、山梨県南アルプス市の麓の芦安地区では、地元の中学生たちが地区の65世帯に新聞を配達しているという話題を伝えていた。
芦安地区はかつて鉱山で栄えたが、閉山とともに衰退。そんな中、修学旅行の費用を賄うために中学生による新聞配達が始まったが、それから60年を経た今も文化として継承されている。
かつての経験者である住民は、早朝、新聞を受け取った子どもたちが約1時間かけて配達するのを暖かく見守っているという。

とても懐かしい話題に触れたような気がする。
というのは、私も小・中学生の時代に地域の子供会で新聞配達をした経験があるからだ。
子供会は小学1年生から中学3年生までが必然的に入っている。
休日の早朝には地域の道路清掃を行い、小学校4年生くらいから毎日の新聞配達が始まる。
4年生のうちは上級生と一緒に組んで配達をするが、5年生になると一人で配達するようになる。
その収益は、子供会行事に必要な経費として当てられる。

こうして子供のときから、奉仕活動や新聞配達、その他の行事を通して大きい子供が小さい子供の面倒を見たり教えたりするという縦のつながりもあった。
地域の人々に見守られ、育てられ、誰もがのびのびと育つ中で、他を思いやる心も育った。
ある年齢になると、こうした環境を煩わしく感じることもあったが、歳を重ねてくると、人間づくりの一助とも言えるこれらの経験がいかに貴重なものであったかを痛切に感じる。
私が育った地域では何年も前から子供がいないに等しいような状況で、子供会行事もなされていないようだ。
芦安の子供たちには、ぜひ新聞配達を続けていって欲しいと思う。