○十年来のコンサート

クラシックコンサートやミュージカルなどには時々行きますが、なぜかチャンスを逃して行くことができなかったコンサートに、今日は○十年来の夢が叶って行ってきました。
歌手(シンガーソングライター)としては唯一ファンである五輪真弓さんの「2007 Welcome home」コンサートです。
新しいタイプの歌づくりを目指し、アルバムのための作曲とコンサート活動を休止していましたが、1996年以来11年ぶりのオリジナルアルバム「Welcome」を10月に発売し、コンサートツアーも再開しました。
今回チャンスを逃したら、次は何時行けるかわからない・・とばかりに、喜び勇んで出かけました。
難しいメロディーでとても歌いこなすことはできないのに、なぜかデビュー直後からこの人の歌が好きで、LP盤やカセットテープ、CDなどがいまだに存在しています。
私にとっては、大変珍しいことです。
なにがよいのか?
おそらく、言葉の一つ一つを、とても大事に歌っているところだと思います。
デビューから35年。
人間は誰でも年齢と共に少しずつ変化していきますが、腰まで伸びていたストレートの長い髪が肩までの長さになり、人間的にも柔らかさを増していました。
歌にも新風が吹き込んだように、大きく飛躍した感じがしました。
新しいタイプの最近の曲だけでなく、古い懐かしい歌も、みな新鮮な気持ちで聴くことができました。
しかし、言葉の一つ一つを大事に歌うところは同じでした。
言葉を大事にする、それは詩の心をも大事にしているということではないでしょうか。
五輪真弓さんの楽曲が、海外のいろいろなアーティストによってカバーされているというのは、そのことを裏付けているのではないかと思いました。
「歌は世につれ、世は歌につれ」という古い言葉がありますが、歌にはその時代時代の背景があります。
それと同様に、個々人にとっても、その歌にまつわる思い出があります。
その人の歴史とでも言えるでしょうか。
古い歌を聴いている間、過ぎ去りし日のことが、走馬燈のように脳裏を駆けめぐっていきました。
今日コンサートに行った人々は、結構年代の近い人たちが多かったようなので、おそらくみな同じような感覚で聴いていたのではないかと思います。
本当は1人で行きたかったのですが、しっかりと大きなお供がいました。
しかも、もしかしたら、私以上に入り込んでいたかも知れません。

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