子どもから教えられる

以前、「親は子の鏡?それとも子は親の鏡」ということを書きました。
子どものいじめは大人社会のいじめの反映と言われ、最近話題の給食費未納問題も大人の身勝手な考えによるもの、その他大人の思考や行動を反映していると思われるさまざまな問題があります。
逆に、大人の反映として起こる子どものさまざまな行動から、大人は多くのことに気づかされます。
事の善悪に関わらず、子どもから教えられることがいかに多いかということに気づくことでしょう。
こんなことがありました。
時々らくがきに登場するアイちゃんの母親が、仕事のことで二者択一をしなければならず、家族だけでなく私たちにも意見を求め、参考にしようとしていました。
すると、それを聞いていたアイちゃんが、「お仕事をするのはママでしょう。だから、ママが自分で決めなければいけないんだよ」と。
大人は顔を見合わせ、言葉が出ませんでした。
確かにアイちゃんの言うとおりです。
自分が何かの問題で悩んでいる時、どうしても人の意見に頼りたくなってしまいます。
しかし、何事も最終的には自分で選択しなければならないことを、アイちゃんはわかっていたのです。
アイちゃんの母親は、「そうだね。人に言われて決めたとしたら、もし思うとおりにならなければ、人のせいにしたくなってしまうものね。自分で決めなければね」と答えていました。
「最近、いろいろと教えられることばかりだわ」と、大人になったアイちゃんに嬉しそうでした。
大人が子どもに対して「隠し事をしても何でもよくわかる」と言うのと同じように、子どもは大人の言動を、曇りのない目でよく見ています。
同じ鏡になるのなら、手垢や誇りで汚れた鏡よりも、ピカピカ光っている鏡になりたいですね。

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小春日和