掌を合わせる

日本人が人と対面した時の挨拶は、上半身を前傾してお辞儀をするというのが一般的です。しかし、海外の人に対して、あるいは日本人通しでも、手を差し出して握手するという形がとられます。
この握手について、さらには掌を合わせる合掌について、面白いことが書いてありました(山折哲雄さんの講演より)。
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握手は右手と右手でするのが一般的ですが、その時、左手はフリーとなるので、相手の顔を殴ることも叩くこともできる訳です。
ですから、握手は和戦両様の両義的な人間関係を象徴しているのだそうです。
ところが、国によっては初対面で合掌する人もいます。
こんな時、握手文化と合掌文化の間には価値観に落差があると考えさせられたそうです。
本来、日本人にも合掌文化がありましたが、戦後、それが捨てられ、学校給食の場でも教えられませんでした。
しかし、茶道、華道などの伝統文化の中でも、作法の基本に合掌はあったそうです。
手を握る、掌を合わせるという作法の基本的な型は、わずか1m四方で訓練できます。
1m四方の人間関係、その基礎をしっかり固めようではありませんか。
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私たちは、墓前で、仏壇の前で、食事の時に、そして困った時の○○頼み・・・というように、意外と手を合わせることが多くあります。
合掌にはいろいろな意味がありますが、おそらく幼い頃からの習慣となっている人も少なくないことでしょう。
「おててのしわとしわを合わせて・・・・・」というCMではありませんが、掌を合わせる時の気持ちは、やはりちょっぴり違った気分ではないでしょうか。

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