子どもらしさとは?

「子どもは子どもらしく」ということばは、今は死語のようになっています。
「子どもらしさ」とは、いったいどんな子供のことを言うのでしょう?
それぞれの年代により子どものころの世相も過ごし方も違うことと思いますが、子どもの時にどのように遊び、どのような体験をしたかが、大人になってから案外影響することがあります。
かつて子どもは、自然の中で、自然と一体となって、暗くなるまで真っ黒になって遊び、男の子などは生傷が絶えないものでした。
悪戯が目に余ると、親ばかりか近所や通りがかりの人なども、遠慮なく注意したり叱ったり、地域社会のみんなで子どもを育てているようなところがありました。
他人から自分の子どもが叱られても、決して恨んだりすることはなく、むしろ感謝するくらいでした。
もちろん、家の手伝いも至極当然のようにしていました。
こうして子どもたちは、事の善悪や友達への思いやり、小さい子どもへのいたわり、命の大切さなど、さまざまな形で学んでいきました。
今の子どもたちはどうでしょう?
「ゆとり教育」とは言うものの、学校が終わると塾のかけもち、習い事、ちょっと時間があるとゲームに打ち興じているといったところでしょうか。
なかには、大人の前では「善い子」の仮面をつけ、大人の目の届かないところでは、いじめや非行の前兆とも言えるような行為をしている子どももいます。
俗に「ふつうの子」といわれる子どもの、驚くべき事件も多発しています。
超少子化の影響か、過干渉や過保護となって子どもを大人の思うとおりに育てようとし、結局子どもの心をしめつけ、裏表のある心をつくっています。
自然と親しみ、時にはずぼらに、もう少しのんびりと過ごせる時間が持てないものかと考えます。
「そんな悠長なことを言っているのはだれだ?」と言われるかもしれませんが、子どもも大人に負けないくらいストレスを溜め込んでいます。
まずは、大人が気持ちにゆとりを持って、子どもに接していきましょう。
大人が穏やかな心でいると、子どもも安心します。

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