本はどこで売っているの?

3月 弥生 巣立ちのシーズンです。
街の不動産屋さんに何気なく目をやると、親子連れが目立ちます。
大学進学のため、また学校を卒業して親元から離れ、独り立ちする人の部屋探しでしょう。
親は巣立ちする雛を心配するかのように口出ししては子どもに叱られ、ちょこっと首をすくめる瞬間を見てしまいました。
近年、子どもに限らず活字離れが問題になっています。
電車に乗っていても、いい若者が乗り込んできて座席に座るや否や鞄の中から取り出すのはコミック誌。
足を広げてニタニタしながら読みふけっている姿は、なんとも様になりません。
昨日は、新聞(教育欄)を読んで驚きました。
ある男子中学生は、小学生の頃、家では教科書はおろか漫画本も読んだことがなく、野山を駆け巡り、バスケットボールに熱中するスポーツ少年だったとのこと。
その中学生が、学校の先生から聞かされた本を買いたいと母親に告げました。
母親は「買っておいで」とお金を渡したところ、中学生は「お母さん、本ってどこで売っているの?」と聞いたそうです。
これには、さすがに母親もびっくり!
しかし、その驚きを隠し、子どもを街の本屋さんに連れて行ったそうです。
スポーツ少年であれば、読書をする時間もなかなか取れなかったのではないかと思いますが、昨今は塾通いにゲームに・・・と読書よりも別のことに当てる時間の方が多いようです。
私たちが学校に行っていた頃は、学校の勉強はもちろん、部活に家の手伝い、それでも競って本を読んだものでした。
本は自分にとっての肥やしとなるもの。
今すぐ役立たないこともあるかも知れませんが、自分の中に蓄積され、何かの折に役立つものです。
本は、本屋さんから買うだけでなく、図書館から借りて読むこともできます。
何よりも、何かをするための時間は、自分で作り出すものです。
自分を育てるための時間を作ってみませんか。