2019/6月のメッセージ [無尽蔵]

底があれば
過去からのものが蓄積する。
底がなければ
新たな考えがどんどん入ってくる。
見えていなかったものが見えてくる。
 
*  *  *
数年前から断捨離がブームとなっている。
しかし、「要らないものは捨てたいけど、なかなか捨てることができない」とこぼしている人も多い。
多くの人は「断捨離=捨てること」と、単に要らないものを捨てることと認識しているように感じるが、それは違う。
断捨離とは、モノへの執着、つまり過去への執着を捨てること。
身の回りを整理して余計なものがなくなるということは、心の中の余計なもの(執着)もなくなること。
すると、そのあとには新たな世界が入ってくるだろう。
 
禅語に、その物が尽きることがない、底がないからたくさん入るという意味あいの「無尽蔵」という言葉がある。
底があれば過去からのものが蓄積され、しこりのように頭をカチカチにさせてしまう。
しかし、底がない状態にしてやると、新たな考えがどんどん入ってくる。
 
身辺を整理しはじめると、何が必要で何が不要かがわかってくる。
部屋がきれいになると、そこには新しい気が流れ、今まで見えていなかったものが見えてくる。
活用していないもの、不必要なものは捨て、整理整頓してみよう。
スッキリ整った部屋は、単純に気持ちがよい。
 
自分の心の中も、その部屋と同じなのだ。