ありのままを受け容れる

買い物に出かけた際、エスカレーターで2階から1階に下りているときのこと。
後方から
女性の声「グレーヘアだ」
男性の声「勇気があるよね」
とささやくような会話が聞こえてきた。
何気なく耳にしていたのだが、エスカレーターから下りて振り返ってみると、前にも後にもグレーヘアの人はいない。
どうやら私の髪のことを言っていたらしい。
 
以前書いたが、昨年5月頃からカラートリートメントをキッパリやめた。
皮膚への負担を避けることと、面倒はしたくないという理由。
だが、何よりも他人の目を気にすることなく、「ありのまま」「自然のまま」でいたいという思いが強かったからだ。
髪の毛を染めていても頭頂部の色がすっかり褪せていたり、髪の量が少なくなって地肌が見えていたりするよりも自然なままの方がよい。
そう思った。
勇気があるとかないとかいうことではないのだ。
人間は、生まれたときから老いに向かって生きている。
歳を重ねるにつれ、体力は衰えていくし白髪も出てくる。
そのような、自然に訪れる老いを自分が受け容れられるかどうかということだけなのだ。
「グレーヘアが流行」と言われるが、流行というのではなく、ありのままの自分を受け容れようという人が増えてきただけではないだろうか。