2018/11月のメッセージ [美しいお辞儀]

美しいお辞儀は
言葉にも勝る
 
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普段、私たちはお辞儀について深く考えることはないし、美しいお辞儀に出会う機会も滅多にないように思う。
お辞儀は相手に対する敬意を表す所作であるというが、昨今はことばだけで済ませるか、ちょっと首を傾ける程度で終わっているように思う。
だが、相手が初対面なら、お辞儀は第一印象を決定する大きな要素ともなる。
その意味から考えると、相手が初対面であれ、親しい人であれ、礼節を守ることが大事のようだ。
 
以前から、何らかの会で人前に立ち、挨拶をする(お辞儀をする)人の“お辞儀”の仕方が気になることがあった。
何かに秀でた、どんなに素晴らしい人であっても、お辞儀一つでその人の印象が変わってしまうことを感じていた。
 
先月のメッセージで『日々是好日』について書いた。
この言葉は、禅語の中でもよく知られていることばだが、森下典子さん原作の『日々是好日』が黒木華さん主演、樹木希林さん出演で映画化されており、それを観られた方も多いことと思う。
その中に、
「あの人はタダモノじゃないわよ」
「みなさんで挨拶したんだけど、一人だけ、おじぎがちがうのよ」
「ふつうのおじぎなんだけど、ちがうのよ」
という場面がある。
原作本を読み、映画も観て、私は思った。
果たしてこのようなお辞儀をしていたであろうか・・・と。