他人の時間を奪わない

私が「時間泥棒」という言葉を知ったのは、(何十年も前のことだが)ミヒャエル・エンデの『モモ』を読んだとき。
その中に 「時間とは、生きるということ、そのもの」と書いてあったように思う。
つまり、時間=生きること=人生 と言えるだろうか。
 
Aという人間から電話がかかってきたとする。
少しなら・・・と話し始めたところが、いつまでも喋り続ける。
<ああ、もうこんな時間だ>と思いながらも、なかなか言いにくい。
頃合いを見て、やっと切り出して電話が終わったときには、話し始めてから40分も1時間も経っていた・・・と。
 
こうして「時間」を奪われてしまうと、「人生」そのものをAから奪われてしまうということになる。
それは、自分の時間を生きられなければ、ほんとうの意味で「生きている」とは言えないということにもなろう。
少々オーバーな表現かも知れないが、まさしく時間泥棒であり、自分の貴重な時間を奪われたことになる。
したがって、相手が親しい人か否かに関わらず、相手の時間を無駄に奪うことは厳に慎まなければならない。
自分は暇であっても、いま、相手がどのような状況にいるかということは、見えないからわからない。
だからこそ、安易に他人の時間を奪うようなことをしてはならない。