迷ったらやめる

最近、姉たちの話を聞いていて思うことがある。
性格のせいか、年齢を重ねたせいか、判断力・決断力が鈍化してきている?・・・と。
 
たとえば、服飾雑貨等を購入した際、取り替えや返品をすることが多くなっているという。
<今日は春物ジャケットを買ってこよう>と買い物に出かけたとする。
お店でいろいろ見ていると、販売員さんが近づいて来て「よくお似合いですよ」と声をかけられる。
おそらく、本人もその品物が何となく気になっているのが、販売員の方にもわかるのだろう。
どうしようかと迷っているときに声をかけられたことで、気持ちは<よし、これを買おう>という方向に傾いていく。
 
帰路、電車の中で<勧められるままに買ってしまったけど、これでよかったのかな?>とふと我に返る。
帰宅してすぐ鏡の前に立ちジャケットを着てみると、何となくお店で見たときとイメージが違うような気がする。
どうしよう!もう少しいろいろ見てから買えばよかったかな?
取り替えか返品ができるかな?
と、そこでもまた迷いが生じるらしい。
考え倦ねた末に、私のところに電話がかかってくる。
「急ぎの仕事をしている」という言葉も耳に入らないのか、ことの顛末を話し始める。
最終的にどうするかは本人が決めるしかない。
以前はこのようなことはなかったと思うのだが、単に性格のせいか、年齢を重ねるにつれて判断力、決断力が鈍ってきたのか。
 
私自身は、買いたいと思えるものがあるかどうかをサッと見て判断する。
買って失敗したことがあってからは、基本的に“迷ったら買わない”と決めている。
正直、<やっぱり買えばよかったかな?>と思うこともあるが、それは縁がなかったのだと割り切ることができる。
そういうものは、実はほんとうに必要なものではなく、ただ欲しかっただけということの方が多いからだ。
このように言ってはいるが、もしかしたら姉たち同様、同じようなことをする日がやってくるかも知れない。
 
だから偉そうなことは言えないが、日常では公私に関わらず、さまざまな場面で重要な選択をしなければならないことがある。
そんなとき、「迷ったらやめる」か「迷ったらやってみる」か、どちらを選択するか。
 
陶芸家の北川さんという方の言葉がある。
「迷う」ならば、「やめなさい」。
迷いが取れ、やり抜く決心がついたならばやりなさい。
肚をくくったらならば不思議と道は開けてくる。