枯露柿作りの思い出

スーパーで渋柿を見つけたので枯露柿作りに挑戦。
あまり天気が良くないので心配していたが、今のところは何とか良い状態を保っている。
枯露柿
自分の手で枯露柿を作っていると、子供のころを思い出す。
皮をむいて軒先にズラリと吊した柿を、一定期間経ったころに一つひとつ丁寧に揉む。
それからまたしばらくの期間をおいて、今度は柿の筋を切るように揉み、形を整える。
その2度目の作業を終えると、すぐ上の兄が「手伝いのお駄賃に一個ずつもらおう」とポケットに忍ばせ、私にも一つ手渡してくれる。
いわばつまみ食いの類いだが、その口止め料というところだろう。
親には見透かされていて、一つや二つ無くなったからといって決して叱られるわけではないが、まだ小学生の兄妹にとってはドキドキワクワクの冒険だったのかも知れない。
そうして口に入れた柿は、自分たちが手塩をかけたものだけに、その当時の私には何とも言い表すことができないほどのおいしさだった。
あんぽ柿よりちょっと身が締まり、枯露柿として完全に出来上がる前の状態。
これが私の最も好きな柿。
それは、思い出と共にあるのかも知れない。