よその子に声をかけにくい時代

遮断機が下りた踏切の手前、ベビーカーに子どもを乗せた母子が電車の通過待ちをしている。
その一歩手前にいた人が振り返った。
(あっ、Sさんだ)
と思った瞬間、子どもに笑いかけた。
子どもが、ニコッと可愛い笑顔を返してくる。
(と、思ったかも知れない)
ところが、突然大声で泣き出してしまった。
周りの人たちが一斉に注目し、Sさんはバツの悪そうな顔をしている。
子どもの母親は、睨んでいるかのように見えた。
Sさんに近づくと、「最近はうっかり声もかけられないよ・・・」
確かに昔のように、よその子に気軽に声をかけられる時代ではなくなった。
良くも悪くも、それが現代社会の歪みの一因になっているのではないかと思う。
 

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