“おもてなし”の言葉だけが先行しないように

日本時間の8日早朝に、2020年東京オリンピック開催が決定した。
前回、1964年(昭和39年)東京開催から56年ぶり、2回目の開催となる。
夏冬合わせると4回目。
まさしく、「あの感動をもう一度!」と言ったところだろう。
今回、招致決定要因の一つとして、
「おもてなし」という言葉がIOC委員の心に響いたのではないかと言われている。
確かに、日本の人々は優れたもてなし術を持っている。
だが、それ以前の問題として、
日本語の崩壊や、倫理観・道徳観が欠如し危機的状況に陥っている
と言われるような現状において、
果たして7年後はどうなっているのだろうかと懸念される。
「真のおもてなし」は、心の内から自然に湧き上がるもの、
と私は思っている。
インフラや建物の新設・補修は比較的容易でも、
人間の心・意識、習慣を変えていくのは容易なことではない。
“おもてなし” の言葉だけが先行するのではなく、
“7年後のオリンピック開催のためというより日本の未来のために、
一人ひとりが “人としてどうあるべきか” をみつめ直してみることも必要ではないかと思う。
人が人としての道を踏み外さず、当たり前のことをしていれば、
自ずとおもてなしの気持ちは沸き上がってくるでしょう。