春の嵐

昨日から降り始めた雨が、今日も1日降り続いた。
天気予報では「風雨が強くなる」と報じられていたが、家の中から見た外の様子は、<ちょっと風もあるのかな?>程度だった。
ところが、買い物のため外に出てみると、屋内から見た様子とは全く違っていた。
突風で傘があおられそうになる。
だが、傘をささなければびしょ濡れだ。
傘をすぼめるようにして、しっかり持って進む。
突然、目の前に人の気配を感じた。
「あっ、すみません」とお互いに言葉を交わしながら避ける。
 
少し先に行くと、自転車に跨った若者が、反対側に開いてしまった傘を相手に四苦八苦していた。
<すぼめるようにしてしっかり両手で持っていてもあおられるのに、こんな日に片手で自転車なんて・・・・> 他人のことだが心配してしまった。
 
桜の季節には、必ずといってよいほど襲いかかる春の嵐。
ただでさえ短い桜の花のいのちを、さらに縮めている。
だが、こうした自然現象によって揉まれることにより、樹木は一段と強くなっていくのだろう。
人間も、これと同じことが言える。

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