説似一物即不中

自分の気持ちをどのようなことばで表現したらよいのか、どのように相手に伝えたらよいのか・・・と、「ことば」の使い方で戸惑ったり、傷ついたり、自分では気づかずに誰かを傷つけたり・・・ということはありませんか?
自分の気持ちを、そのままCD-RやMDなどにコピーして相手に渡すことができればよいのですが、そういう訳にもいきません。
少しでも自分の気持ちを相手にわかってもらおうと、説明すればするほど自分の伝えたいことから遠ざかってしまい、相手にはなかなか理解してもらえません。
そのような時は、ほんとうに悲しいものですね。
このようなことを表すことばとして、「南嶽懐譲」という人は、『説似一物即不中(せつじいちもつそくふちゅう)』と言いました。
「物事の真理や真実というものは、どんなことばでも説明できない。つまり、ことばで説明したら、どんどん真実から離れてしまう」ということです。
ことばというのは、ほんとうに難しいものですね。

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