依存と自立

ゴールデンウィークが近づいてきました。
この休暇を境に、いわゆる「五月病」が出てくることがありますが、近年は5月に関係なく、登校拒否や出社拒否となる人が多いようです。
親元を離れて大学生活を始めた人、大学を卒業して初めて親元を離れて社会人となった人たちなど、これまで親に依存した生活を送ってきた人たちにとっては、自分の力でやっていかなければならない(自立していく)のですから、精神的にかなり疲れてしまうことでしょう。
その精神的緊張がふっと緩んだこの時期、登校拒否や出社拒否を起こす人が出始めるのでしょうね。
もちろん、全く別の意味や次元での拒否というものもあります。
「自立とは、他の経済的・精神的支配を受けず、自分の力で物事をやってゆくこと」と辞典には書かれています。
学生が経済的に自立することは困難としても、精神的自立は既にできていてもよいのではないかと思います。
ところが、意外に精神的自立というのが難しいようです。
日本の現状を考えていただければ「納得」かもしれません。
この精神的自立ができないのは、学生に限ったことではないようです。
永年勤めてきた会社を辞めた人がいますが、これまで会社の指示・命令でばかり動いてきた人にとって、自分自身で物事を判断し、決めて動いていかなければならなくなった時、パニック状態に陥ってしまいます。
知らず知らずのうちに、いつも他者による指示・命令に従うという形で依存してきた結果、「自立」することができなくなっているのですね。
ただ自立できないだけでなく、物事がうまく運ばないと「○○のせいで・・・」と他者に責任転嫁することとなります。
その時に、なぜ自分が依存ばかりしてきたのか、自立できないのか、もっと自分自身の心の内側をよくみつめてみることも大切です。
物事を自分の頭で判断し、決めて、自分の力でやっていかれるようにしたいですね。

前の記事

技法CDのお披露目

次の記事

魔女がいない?